横道世之介からの"サニー 永遠の仲間たち"を見たってよ
先日書いたとおり(本当今さらなんだが"横道世之介"見たってよ )横道世之介に夢中になってしまった私ですが、青春映画で他に何かないかなぁと探した結果本作に出合いました。
サニー 永遠の仲間たち
作品情報
原題:써니/Sunny
2011/韓国 上映時間124分
監督・脚本:カン・ヒョンチョル
出演:シム・ウンギョン、カン・ソラ、キム・ミニョン、パク・チンジュ、ミン・ヒョリン、ナム・ボラ、キム・ボミ、ミン・ヒョリン、ユ・ホジョン、ジン・ヒギョン、コ・スヒ、ホン・ジニ、イ・ヨンギョン、キム・ソンギョン、チョン・ウヒ
あらすじ
ナミ(ユ・ホジョン)は夫と娘と3人暮らし。家族関係はどこか冷めているが、経済面では不自由なく恵まれた生活を送っていた。そんなある日、彼女は母の入院先の病院で高校時代の親友チュナ(チン・ヒギョン)と思わぬ再会を果たす。25年ぶりに再会した友人はガンに侵され、余命2か月と宣告されていた。チュナの最後の願いは学生時代の友人たち、グループ名"サニー"のメンバーとの再会だった。
ベストで楽しむためには
・韓国の文化を理解、知っている
・80年代の洋楽popsに詳しい、思い入れがある
の2点だと思います。私はどちらも情報弱者ですが
かなり面白かった!
以上の2点を知らなくても青春映画として充分楽しい!
ネタバレしながら良かった所、ダメだった所をつらつらと
よかったとこ
・過去と現在の交錯が素晴らしい!
過去と現在が交錯して語られていくわけなんですが、その切り替えが絶妙!
時間経過をカメラワークであっさりと見せる手際のよさ。こういう画にシビれる、あこがれるぅううう!
序盤でナミが娘の学校を訪れる。ナミが坂の中腹で足を止めると、後ろから歩いてくる生徒がナミにぶつかる。カメラがナミ目線になり空を仰ぐように1周する。そして前を向き直すと前を歩いていた制服の生徒が私服に変わっている。グーっとカメラが引いてくと大人だったナミが少女になっている。という仕組み。
この現在と過去の交錯演出、何かに似てるなぁと思ったらコレでした。
サニーにも電車の車窓から外眺めるシーンあったな。青春群像劇には定番なのだろうか・・・
冒頭だけではなく、全体的カメラワークの演出が素晴らしい。こういうカメラ演出がうまい映画を見たいのですが、何かイイのないですかね(´・ω・`)?
・異文化のおもしろさ
- 時折整形ネタがチョイチョイ入るのだけれど、日本の整形を隠す風潮と違って整形のタブー感に違いがあるので整形をギャグにする。
- 女性同士の喧嘩が激しくて、ここは鈴蘭高校か何かなのか?と思うくらい。ただ・・・おもしれぇ
- ナミの母の病室のテレビに映るドラマがステレオタイプな韓国ドラマで、入院患者が「この恋人同士も兄妹だよ」とか「また不治の病か」と自虐的に韓国ドラマを揶揄するとともに、この作品はそういうのではないですよという意思表示でもある。
学生時代のあるあるネタのスクールカーストしかり、持ち物が流行のブランドじゃないと疎外感を感じたりバカにされたり、転校生に足引っ掛けたりするベタないじめ描写は共通認識なんだなぁと思ったりしました。
日本の男版サニー?w
・音楽の使い方
ナミが恋する男性をつける。男性が入ったのは喫茶店。店内にはロックがかかっていたが・・・。男性はナミを見つけ、彼が付けていたヘッドフォンを背後からかけるのです。すると『愛のファンタジー』が流れる。世界はまるで二人きりのような・・・というパロディ(´~`ヾ)
詳しいwikiをリンクで貼っておきます
当時の80年代学生の恋愛アコガレってやつらしいです。
もろ↓の通りですヽ(´∀`)ノ
Richard Sanderson-Reality (Il tempo delle mele ...
またこの曲に限らず、いいタイミングにいい塩梅に曲がかかるんです。
・ビタースイートなノスタルジー
現在のナミが部屋で学生時代のビデオを見るシーンがあるのですが、ただのノスタルジーではないのです。幼い学生時代の自分が、サニーの仲間たちとワイワイきゃっきゃするだけではなくビデオメッセージが含まれています。メッセージはそれぞれに大人になった自分に夢を語るのです。
幼い自分達が語る夢が、現状の自分達をグサグサ刺してきます。子供に罪はなく、無責任に語る夢は純粋そのもの。そして純粋であるが故に・・・
キツイ。
ここ一番グッときました(´;ω;`)ぶわっ
・エンドロールまで魅せるサービス精神
ラストの引き際がいいんですが、後日談的なものだったりをナミの特技である絵で見せる。なおかつ劇中でのアノ曲が・・・。
最後まで青春です!
ダメだったところ
多くの方が指摘されるところでラスト。
結局・・・金で解決。めでたしめでたしでいいのかということです。
見ててマジか・・・と思ったりしたけれど、他のパターンだとそれはそれでないかなぁと思ったり。最後くらいご褒美もいいかなぁとか、悲しいけど希望の残された終わりもベストかなぁと時間が経つにつれ思ったりしたりして。
ところどころ唐突というか、あれはどうなったのかなぁと思う所もありますがディレクターズ・カット版があり、その辺の描写もあるらしいです。ナミの兄貴の話等々。
見た方の感想だと人物描写の深みは増すけど、映画のテンポが悪くなるらしいです。
かなり見たい!
この映画の鍵となる曲
Boney M. - Sunny (video version 2006) - YouTube
あーだこーだ言いましたが、総じて凄くおもしろい!
個人的に青春映画を代表する作品の1つになったのは間違いないです!
おすすめです!