"GODZILLA/ゴジラ"見たってよ
原題 Godzilla
製作トーマス・タル、ジョン・ジャシュニ、メアリー・ペアレント、ブライアン・ロジャース
キャスト
アーロン・テイラー=ジョンソン、渡辺謙、エリザベス・オルセン、ジュリエット・ビノシュ、サリー・ホーキンス
製作年 2014年
製作国 アメリカ
配給 東宝
上映時間 124分あらすじ
1999年、日本。原子力発電所で働くジョー(ブライアン・クランストン)は、突如として発生した異様な振動に危険を感じて運転停止を決意。だが、振動は激しさを増して発電所は崩壊し、一緒に働いていた妻サンドラ(ジュリエット・ビノシュ)を亡くしてしまう。それから15年後、アメリカ軍爆発物処理班の隊員である、ジョーの息子フォード(アーロン・テイラー=ジョンソン)は、日本で暮らす父を訪ねる。原発崩壊事故の原因を調べようと侵入禁止区域に足を踏み入れた二人は、そこで思いも寄らぬ光景を目にする。
映画評論家 の町山さんもおしゃっていましたが、日本における怪獣とはカミなのです。荒ぶる自然の怒りの象徴なのです。自然の災害のメタファーでもあります。
一神教の欧米的感覚で、八百万の神々という感覚を欧米の方々がどこまで理解できるのかが問題なわけです。
エメリッヒ版ゴジラは、怪獣界のスターでもあるゴジラを大型の爬虫類に改変してしまったのが完全なる失敗だったのですが本作は・・・?
本作について書く前に、1954年版ゴジラに触れないわけにはいきません。
Gojira (1954) Theatrical Trailer HQ - YouTube
本作は、ゴジラがありとあらゆる災害の象徴で描かれています。この映画に関しては、様々な評論家や映画ファンが語りつくしてきたので細かいことは詳しい方に任せます!
大切なのは・・・
・戦後9年目に撮られたという事実。
・今見ても色褪せない迫力ある特撮。白黒がイイ方向に作用しています。
・ゴジラという怪獣が、あらゆる災害の象徴で自然の怒りのメタファーということ。人間の水爆実験によってゴジラは目覚め、最後の山根博士の社会風刺のセリフが何とも言えません。
・今では描けない、エグイ描写。ゴジラが破壊し、その被害に巻き込まれた市民が収容されている病院は、完全に戦争を象徴しています。また、ゴジラが通った後は放射能汚染されます。怪我をせず、生き残った子供にガイガーカウンターを向け、言葉を発しはしないが悲しい顔をする医者・・・。こんなの今では絶対描けません。美味しんぼの鼻血描写よりエグイと思います。
ゴジラは人間にはコントロールできない自然でありカミなのです。
これが第一作。それ以降はVSシリーズになり、割とヒーロー的扱いになったりしますが本作は・・・?
では感想を述べます。もちろんネタバレもあるので気をつけてください!
予告を見る限り、核とか水爆とか第一作を想起させるワードが出てくるので楽しみにしたわけです。第一作のゴジラが帰ってくる!?と。
タイトルもゴジラですし(`・ω・´)
まず、タイトルが間違ってる!!!
見た方なら分かると思いますが、ゴジラではなくてゴジラVSムートーです!
核をエネルギーとし、原発を破壊したのはムートーです。ゴジラは自然を調和するため、ムートーを倒しに目覚めたヒーローとして描かれています。
ゴジラとしては???です。反核的な政治的な要素が逆にノイズです。
ただ・・・
ゴジラVSムートーとして見るなら・・・
最高だ!!!
物語としては突っ込み所満載です。
・序盤の日本観
フォードが住んでる日本の家が寺のような場所。木造平屋で、壁には日本と書かれたポスターや招き猫が置いてある典型的外国人の考える日本家屋。
・日本の警察描写
大人になったフォードが父親を迎えに日本の警察へ出向く。そこで待っていると、大声で子供をしかりつける取ってつけたような日本のオヤジ。
・放射性廃棄物処分場
ムートーの卵を変化がないからと言って、餌と一緒にしておくのもどうかと思いました。
またムートーの様子を見るために、軍隊が小窓を一個一個チェックしていきます。「クリア」とか言ってチェックが済んでいきますが、一箇所明りが漏れている部屋があり、扉を開けるとトンネルぐらいの穴が開いています。ムートーが孵化し、逃げ出したわけですが・・・。
早く気づけ!!
3~40メートルはあるとも思える穴ぼこが山に開いてて、ヘリも飛んでます。人間が小窓をチェックするまでもなく、外からヘリで分かっただろうし、穴が開くとき揺れたりしないんかよ!?と思いました。ここは緊張感あるシーンでしたが、自分は声を出して笑ってしまいました。
・芹沢博士
せっかく劇場第一作の芹沢の名を出したなら、もっと活躍させて欲しかった。ただゴジラの恐ろしさを話す人という印象になってしまっている。
・フォードの奥さん
街が破壊され、とんでもない状態になっても小奇麗なまま。美人なのはわかりますが、ああいう非日常的状況なら美人でも多少小汚くなるはず。あと、生きるか死ぬか的な世界の終末戦争のような状態で、子供を救うためとはいえ簡単に人に任せるのもどうかと。そういうときこそ、親は子供を常に近くにいさせて守るのではないでしょうか?
・バスの運転手
橋の上での暴走した運転のおかげでフォードの息子は助かるわけですが、この暴走具合はかなり笑いました。
etc・・・
ツッコミ所は多々あります。
しかし!
そんなことはどうでもイイぐらいにゴジラがカッコイイ!!
ゴジラをヒーローとして扱っているため中々でてきません。焦らしに焦らされます。その焦らされ具合がたまらん(*´Д`*)
本作は中盤まで"何だソリャ"的ツッコミ所と"最高!"的かっこよさが交互に押し寄せます。
ゴジラが最初に全身を現せ、劇場内の空気が震えるくらいの雄たけびをあげた時は陳腐な表現ですが、本当に鳥肌が立ちましたキタ(゚∀゚)コレ
ラストのゴジラVSムートーはヒャッハー└(゚∀゚└))((┘゚∀゚)┘のお祭り状態でした!
ゴジラの放射熱線は尻尾の辺りから光り始め、顔の方向に順々に光り吐き出すというギミック。最高!!
芹沢博士も予告にあるとおり、ゴジラの発音を英語的GODZILLAではなく日本語のゴジラと呼んでくれたのも嬉しかったです。この演出は渡辺謙の提案らしいです。素晴らしい!
ムートーの必殺技の電磁パルスで電子機器が使用不能になり、空から何機も飛行機が墜落する地獄絵図は恐ろしかった。しかし映画の映像的には最高だった。
主人公のフォード役のアーロン・テイラー・ジョンソンもキックアスの時のオタク的な感じではなく、軍人感がかっこよかったです。こんなに演じ分けができるとは・・・。役者ってスゲーー!!パラシュート部隊もかっこよかった(*´∀`)
最後のフォードの活躍や、家族との再会。ゴジラの海への帰還もハリウッド映画的な御都合感ありました。
でも、ゴジラがカッコよ過ぎる!!
ゴジラの表現の本気感は感じました!東宝監修なだけはあります。せっかく東宝がゴジラを監修したなら、日本像も東宝に見てもらえばよかったのに・・・(´・ω・`)
あと本作で津波が起きて人が流されるのですが、その映像はかなりドキドキしました。3.11の衝撃は未だに自分の中に残っているんだなと再確認しました。
時間とお金に余裕のある方は、是非ゴジラの咆哮を体感してください!
大きなスクリーンでゴジラを体感するということでオススメです!
3Dも見に行こうかな・・・
おわり