ryoブログ

映画や漫画に対して、140字では語りつくせない思いをたれ流していきます

”her/世界でひとつの彼女”見たってよ

先週のタマフルで対象作に選ばれて、前から見たかったので慌てて見ました!

 

 

her/世界でひとつの彼女

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映画『her/世界でひとつの彼女』予告編 - YouTube

原題 Her

監督スパイク・ジョーンズ

製作ミーガン・エリソン,スパイク・ジョーンズ,ビンセント・ランディ

製作総指揮ダニエル・ルピ
キャスト
ホアキン・フェニックス,エイミー・アダムス,ルーニー・マーラ,オリビア・ワイルド,スカーレット・ヨハンソン
製作年 2013年
製作国 アメリカ
配給 アスミック・エース
上映時間 126分
映倫区分 PG12

あらすじ

近未来のロサンゼルスを舞台に、携帯電話の音声アシスタントに恋心を抱いた男を描いたラブストーリー。他人の代わりに思いを伝える手紙を書く代筆ライターのセオドアは、長年連れ添った妻と別れ、傷心の日々を送っていた。そんな時、コンピューターや携帯電話から発せられる人工知能OS「サマンサ」の個性的で魅力的な声にひかれ、次第に“彼女”と過ごす時間に幸せを感じるようになる。

her 世界でひとつの彼女 : 作品情報 - 映画.com

私は、基本恋愛映画は嫌いなのですが・・・おもしろかった!

けど、諸手を挙げて絶賛できない何かがある・・・(´・ω・`)

 

ネタバレを含みながら感想をダラダラ書きたいと思います。

よかったところ

1.オープニングの手際

セオドアは代筆業者なのですが、パソコンでの入力が音声入力で話したことが手書きのような文字が入力され印刷される。

このOPシーンだけで時代感や主人公の職業が分かります。手際がいいヽ(*´∀`*)ノ

2.未来像

近未来ではOSも進化しているらしく、コンピューターとのやりとりは全て音声でやりとり!こういう近未来像、好物です!

スマートフォンも進化しているらしく小型だし、電話がかかってくると耳にイヤフォン型の端末を入れ通話。ゲームも立体ホログラフ的な未来感。

で、メールやニュース、チャットログもコンピューター音声が読み上げるので、主人公がエロチャットに入りその音声を聞きオナニーするというテレフォンセックスまでする。音声入力でCPで音声出力なので、間接電話でもう何がなんだかわけが分からなくなります(・∀・;)この音声でやり取りするOSはSiriが開発される前から構想していたものらしいです。

3.主人公セオドア

本作での世界は手紙は書かれなくなっているらしく、手紙は電報的な扱いで手書き感もCPで再現してます。文章も委託会社の社員が考えるのですが、そのエースが主人公セオドア。その文章は同じ社員ですら感動するできばえで、作中ではほとんどない紙媒体での出版を提案されるくらいです。

人の感情を刺激する名文を生み出す才能の持ち主ですが、異性との会話というか恋愛には不器用というかうまくいかない。

幼馴染で結婚した相手とは、別居中のほぼ離婚状態。そんな中新たに出会った女性とは詰めに失敗してフラれる。なんか同情するわ、同類相憐れむの如し・・・

4.サマンサ

音声OSのサマンサはスカーレット・ヨハンソンなんですが・・・これがいい。スカーレット・ヨハンソンなんですが、姿は一切出ず声のみの出演。スカーレット・ヨハンソンは声もエロいのがよくわかりました(*´Д`*)

このOSが使用していくうちに使用者にあった提案や会話をしてくれる、理想の人格になっていくのが凄いと思うし怖いと思う。

現在でも通販や大手レンタルショップのポイントカード履歴を見ると、自分の好みの傾向が見えてきてそこから性格なんかも分析できてしまう。

凄い時代だ・・・

 

このセオドアとサマンサが心を通わせ、セオドアはサマンサに恋に落ちていくわけです。最初は実体もないのに恋に落ちていくセオドアに「疲れてるんだなぁ~」(´・ω・`)と思ったりもしたのだけれど、次第に自然に受け入れられる不思議。

携帯端末を持ってのデートするシーンなんて、こんなん見たことない!

で、見ている我々も受け入れてくわけです。

上司もセオドアに「恋人ができたらしいな。ダブルデートしようぜ」的な誘いをすると、セオドアは「いいですけど、恋人はOSなんですよ」というと躊躇なく「いいじゃないか、いこう」なんて誘ったり、会社の同期に新恋人がOSであることを告白したら「私もなの」的な感じ。自分も「ありかも・・・」って思い始めたくらいですよ。

セオドアがサマンサと交流することで、やっとのことで離婚届にサインできる精神状態になって元奥さんと会食するのですが・・・。

そこで新恋人がOSだと告白。奥さんは「あんた頭おかしいんじゃないの!?機械でしょ!?」とセオドアを追い詰め、こっちは「あぁ、やっぱりそうなのねぇ~・・・」と思ったりして、セオドアと同じく落ちこんじゃったりして(´・ω・`)

 

本作ではセオドアがOSに恋に落ちてしまったわけですが、他にもいたのではないかと。セオドアが会話しながら街を歩くと周りの人も会話しながら歩いていたりするのです。その光景を見ると、他の人も・・・!?と思っていると・・・あるオチに繋がるわけです。その最後のあるオチもあいまって「やっぱり面倒でも人間とちゃんと向き合わないとダメなのかなぁ」「恋愛だけではなく、人との関わりは得てして面倒が伴うなものだよなぁ」とか思ったりしました。

単なる恋愛映画に留まらず、心が触れ合う喜びというか。そういうエモーショナルな映画でもあり、人格を持つほど発達したOSは機械と割り切っていいのかどうかという未来への問題提起でもあるように思いました。

 

 相手が実在しないのですが、その振る舞いはそこにいるかのようだし、どんな人間より自分を分かってくれるという。新しい恋愛映画を見た気がしました。その意味で楽しいと思います。あと、スカーレット・ヨハンソンの声を楽しむ意味でオススメです。

 おわり

【映画ノベライズ】her/世界でひとつの彼女 (宝島社文庫)

【映画ノベライズ】her/世界でひとつの彼女 (宝島社文庫)