ryoブログ

映画や漫画に対して、140字では語りつくせない思いをたれ流していきます

"青天の霹靂"見たってよ(あとブルージャスミンも)

5月31日のTBS RADIO ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフルの放送内で、6月7日放送のムービーウォッチメン対象作品に当たった作品

あの劇団ひとり監督作・・・

青天の霹靂

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「青天の霹靂」予告 - YouTube

監督 劇団ひとり
脚本 橋部敦子劇団ひとり

原作 劇団ひとり
製作 「青天の霹靂」製作委員会
出演者  大泉洋柴咲コウ劇団ひとり
音楽  佐藤直紀
主題歌  Mr.Children「放たれる」
配給  東宝

あらすじ

35歳の晴夫は学歴もなければ、金もない、恋人もいない、売れないマジシャンだ。そんなある日、高校卒業以来連絡を取っていなかった父親の死を警察からの一報で知る。父親の死に茫然としている中、青く晴れた空から雷が落ちる。それを機に彼の運命は大きく転換する。
意識を取り戻した晴夫は昭和48年の浅草にタイムスリップしていた。そこで彼は若き父と母に出会うことになる。

青天の霹靂 - Wikipedia

 正直、期待していませんでしたよ。色物扱いというか、話題性で確実に興行収入得るためだけでしょみたいな。話だってよくあるパターンですし。『タイムトリップしての親子の交流もの』だと"バックトゥーザフューチャー"しかり、東野圭吾の"時生"しかり。

でもね、ちゃんと映画になってた!想像以上だった。なめててスイマセンでした!

・よかったところ

序盤の物語の導入からのタイトル

大泉洋さん演じる晴男の現代での行き詰まり感の描き方が、想像以上にスムーズ。晴男の後輩(桐島での野球部の先輩だった人)が、まぁ嫌味な奴なのだけれど、そこで強がってしまう感じとか。別にマジシャンの先輩後輩の関係だけではなくて、全てにおいて言えることだと思います。後輩のが社会的にも収入的にも勝ってるのに強がって見栄をはる感じ。わかるなぁ~( ´・ω・)

で、これでもかと晴男の閉塞感が描かれた所で父の死が知らされて、警察に遺骨を取りに行き遺体発見現場へ行く晴男。予告にあるとおり、もういない父に向かって「どうしたらイイか分からねぇよ・・・」と感情を爆発される晴男に一筋の雷が当たり真っ白になるスクリーンに黒文字でタイトル。で、鉄道橋を下から撮った画面になり、線路の上を電車が走り電車が通るのに合わせてタイトルを消す。

このタイトルの出し方と消し方うまかったです(`・ω・´)!

・中盤のペペとチンの喧嘩

ペペこと晴男とチンこと父の正太郎の喧嘩シーンがあるのですが・・・。ここ喧嘩の開始から終わりまでカメラ1台の長回しで撮ってる(はず)!ここ迫力あったし、カメラの画の角度とかもかなりよかった!この発案者はひとり監督なのか助監督なのかカメラマンなのか分かりませんが、よかった。凄くよかった!

・土手とラスト

ネタバレになってしまうから言いたくないので多くは書きませんが、終盤の土手の夕日の逆光シルエットから晴男と正太郎が話すシーン。ここもイ~イ画が撮れてました。そして、ラストのある人の顔をボヤカしてたのは大正解だし最後の画の切り替えも見事!ラストの幕引きも切れ味あってヨカッた!

そういうイイ画や展開を見ただけで、私は『見て損はなかったなあ』と思います!

さてと・・・。

褒めるのは、ここら辺で終わりにします。

最初に誤解ないように言っておきますが、本作おもしろかったです。時間も100分程度でよかったし、イイ画も見られて大満足です!

ただ、思うところも少なくないわけで。簡潔に書こうと思います。簡潔に。

 

・引っかかったところ

文字演出

最初に台詞が文字で表現されるのですが、そういうのやめてくれと思うし、タイトルの出し方は凄い上手いのに青天の霹靂というタイトルの横に辞書上の『青天の霹靂』の意味を載せるのは一体・・・。謎です。

誤解して欲しくないのは、映画上の文字演出が嫌いなわけではありません。使い方の話で、文字演出が印象的なバトルロワイヤルは人生ベスト級に好きです。

劇団ひとりという人間

劇団ひとりさんは真面目に演技してますし『浅草の舞台に立つ男』をうまく演じてると思います。ただ、私はこの人の演技を散々キス我慢選手権で見てしまっていた・・・。マジメな演技をすればするほどキス我慢がチラついて、「コントじゃない、コントじゃない」と自分に言い聞かせたりして、非常にノイズでした。


映画『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』(6.28公開)予告【公式】 - YouTube

 

映画での笑い

私は劇団ひとりさんも大泉洋さんも好きだから、二人でマジックする舞台のシーンは笑っちゃいましたよ。チンさんなんて劇団ひとりさんの得意そうなキャラだし、大泉洋さん演じるペペの似非外国人キャラも散々水曜どうでしょうで見てきましたから。ただ映画館の大きなスクリーンで、この手のテレビ的な"お笑い"をされると急に映画の興が削がれた気になります。完全にイチャモンですけどね。私はお笑い論語れるほどお笑いを知っているわけではないですし、映画の何たるかだって分かるわけではありません。ただ素人目から見ても違うんじゃない?と思うわけです。

柴咲コウ

こんな現代的美人、たぶん昭和48年にいないでしょ。それに二人が結ばれて、さすがに大泉洋的な顔は生まれないでしょε=(‐ω‐;;)

スローモーション

1番盛り上がる場面で、エモーショナルなオーケストラのBGMとスローモーションと回想を合わせたシーン。もうこういう演出は見飽きたからやめてくれないかな・・・。そして、このシーン長過ぎじゃないすか?いくらなんでも。

・人との繋がり

過去で現在と関係ある人が何人か出てくるのだけれど、現代パートで「過去にあったことがある」的なベタな因果演出を1つくらいは入れてもいいのでは?と思います。ただベタだから削った可能性も、なきにしもあらずだけれど…。

主題歌

邦画でありがちな、この手の主題歌。いい加減やめて欲しい。あとコブクロとかね。

 

好き勝手言いましたが、予想以上に映画になっててビックリしました。(どんだけハードル下げてるんだというのもあるけれど)あと、大泉さんはやっぱり器用だなぁと手品見て思ったりしました。

本作損はしません!させません!ただストーリーはオチも含めて想像以上ではなく予想通りでしたが・・・おもしろかったです。

オススメです!

 

あっあとブルージャスミンね・・・


映画『ブルージャスミン』予告編 - YouTube

 Blue Jasmine
監督 ウディ・アレン
脚本 ウディ・アレン
出演者 ケイト・ブランシェットアレック・ボールドウィン、ボビー・カナヴェイル、ルイス・C・K、アンドリュー・ダイス・クレイ

あらすじ

ニューヨークの資産家ハルと結婚し、セレブリティとして裕福な生活を送っていたジャスミンは、ハルとの結婚生活が破綻したことで地位も資産も全て失ってしまう。サンフランシスコで庶民的な生活を送る妹ジンジャーのもとに身を寄せたものの、不慣れな仕事や生活に神経を擦り減らせ、次第に精神が不安定になっていく。それでも再び華やかな世界へと返り咲こうと躍起になるジャスミンだったが……。

ブルージャスミン : 作品情報 - 映画.com

 前評判がよかったから見に行ったのですが、あんまり好きじゃない。

ウディ・アレンミッドナイト・イン・パリしか見たことないし、自分の勉強不足か分からないが合わなかった。

ジャスミンが虚栄心の塊で、我が身を見るようというか何と言うか。同族嫌悪に近い何かを感じた。

とりあえず、つまらないというより、このジャスミンが好かん。

ウディ・アレン作品、そのうちカメレオンマンから勉強します。

 

おわり

青天の霹靂 (幻冬舎文庫)

青天の霹靂 (幻冬舎文庫)